
投資を始める、その前に
「普通の暮らしを守るための資産運用」、今回で4回目になります。
普通の暮らしのためになぜ資産運用・資産形成が必要なのかということから始まり・・・
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投資信託の基本的な仕組みや分類、様々なリスクなどについて書いてきました。
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前回のブログの最後でも触れましたが、今回はこれから投資を始めるための基本的なリスクコントロールについて解説していこうと思います。
ですが、その前に・・・。
自分が投資を始めるためのスタートラインに立っているかどうか、確認する時間を持っていただきたいと思います。
これまでのブログで度々、自分が「何かをしなきゃ」と資産運用に興味を持ったきっかけを振り返る必要について書いてきました。
人によって様々なライフスタイルがあるように、お金を必要をする理由や金額も様々です。
このブログでは「手っ取り早くお金を儲けるため」ではなく、将来のためやいざというときのためといった「普通の暮らしを守るため」に、投資を通して資産を作っていく必要があるんだということについて書いてきました。
例えば信用取引のように、より大きな儲けを出すために必要な資金を借りて株式を売買する手法もありますが、そもそもの目的が違うというわけです。
老後や生活防衛の資金を作るための資産運用なのに、そのために借金を重ねて将来に負債を残してしまっては、本末転倒になってしまいます。
またすでにリボ払いやカードローンなどで借り入れがある場合、そちらの返済を優先するべきとして投資を勧めない場合もあるのです。
ですからまずは、資産形成・投資を始めるためにスタートラインを確認しておきましょう。
投資を始めるためのスタートライン:家計管理とライフプランニング
金融商品への投資・運用によって資産を作っていく、そのスタートラインに立つために必要なのは、家計管理とライフプランニングだと言えます。
日々の生活でお金のやりくりがきちんとできていなければ、貯蓄や投資もままなりません。こうして書くとごく当たり前のことですが、とても大切なことです。
家計管理の基本は以下の通り。
- 収入と支出を把握する
- 収支を黒字にする
- 黒字になった分を貯蓄・投資に回す
貯蓄・投資を継続していくために、給料の入る時期に積み立て分のお金を自動的に引き落とす「先取り貯蓄」を習慣化することが重要だとされています。
ですが、無理な金額を設定して家計が赤字になってしまっては元も子もありません。
収支をきちんと管理して、どれだけの黒字が出せるのかを把握することが大切です。
そして家計管理と並んで重要なのがライフプランニングです。ライフプランニングとは生涯生活設計のであり、自分の大切にしている価値観にかなう生き方や、これからの将来における計画や希望を具体的に描くことから始まります。
- ライフイベント:結婚、出産、マイホームの購入、老後など人生における重要なイベントを洗い出し、そのために必要な費用を時系列でまとめる。
- キャッシュフロー:ライフイベントとそのための費用を考慮し、将来における収入、支出、貯蓄など金融資産の残高の推移などを時系列で予測し、お金の流れを把握する。
こうしてライフプランニングを作成するにはFPの知識や技術が必要になるので、なかなか難しく感じるかもしれません。
まずは漠然とでもよいので、自分の将来に起こりうるイベントや大切にしている趣味など、そのためにどれだけの資金が必要なのか洗い出してみることが大切だと思います。
そして、現在の家計がきちんと把握・管理できているのなら、金融庁のライフプランシミュレーターを試してみてもよいかもしれません。
↓金融庁 ライフプランシミュレーター
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/lifeplan-simulator/
リスクコントロールの基本:長期間・積立・分散投資
株式や債券、投資信託に投資することで預貯金を上回る運用成果を期待できます。一方で元本割れのリスクもあります。
自分の資産を預貯金で保持していれば、少なくとも減ることはありません。元本を維持できます。
ですがモノやサービスの価値が上がり、相対的にお金の価値が目減りしていくインフレ局面において、「元本を維持すること」と「自分の資産を守ること」は=(イコール)にならないことがあるのです。
だからこそ、経済的にも精神的にも過度の負担にならない金額で、できる限りリスクをコントロールしながら、長期的に資産を守り育てていく。
それこそが「普通の暮らしを守るための資産運用」のあるべき姿かなと思います。
長期間の投資
複利は人類最大の発明である。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。(アインシュタイン)
資産運用において投資をできる限り長期間継続することが望ましいとされる理由は、複利です。
例えば、一定期間お金を預金して利息が付いたとします。
- 『元本』+利息
利息や配当など、資産運用によって得られた利益を引き出すのではなく、そのまま貯蓄・投資に回します。すると・・・
- 『元本+利息』+利息
さらに運用を続けると・・・
- 『元本+利息+利息』+利息
となり、長期にわたる運用ではこうした利息が利息を生む状態を繰り返していくことになります。
雪だるまが転がりながら大きくなっていくように、小さなお金が時間をかけて大きく育つのに欠かせない仕組みが、複利なのです。

ちなみにこれは借金でも同じことが言えます。小さな借り入れを繰り返しているうちに、気がつけば大きな負債を抱えている状態になってしまう・・・。
リボやカードローンなどでの借り入れがある場合、貯蓄や投資よりもそちらの返済を優先しできる限り短期間で完済することが望ましいとされているのには、きちんと理由があるのです。
積立投資
株式などの金融商品に対して、一度にまとまった資金を投資すると高値掴みのリスクがあります。*1
これに対して、一定の金額で一か月など定期的に購入していく投資手法をドルコスト平均法といいます。
ドルコスト平均法には
- 価格変動リスクを時間的に分散できる
- 購入価格を平準化できる
というメリットがあります。
これはどういうことかというと、株式や債券など投資対象の金融商品の価格が高いときには購入口数が少なくなり、逆に価格が低いときには購入口数を多くできるため、結果的に平均の購入価格を抑えることができる、というわけです。
このようにドルコスト平均法を用いた積立投資は、長期的な資産運用に適した投資スタイルであると言えます。
また金融機関のインターネットバンキングなどで一度設定すれば毎月自動的に定額分を購入できるため、家計管理の項でも触れた先取り貯蓄とも相性が良いのも特徴です。
↓金融庁 つみたてシミュレーター
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/
分散投資
「卵を一つのカゴに盛るな」
前回のブログで紹介した格言です。
すべての卵を一つのカゴに盛っていた場合、そのかごを落とすとすべての卵が割れてしまう恐れがあります。そのようなリスクを回避するためには複数のカゴに卵を盛っておくと安全ですよ、ということでした。
投資においても、一つの資産だけに集中して投資するよりは、値動きの異なる複数の資産に分散して投資することで、資産全体の値動きの幅を抑えてより安定した運用を目指せます。
個人の投資家が分散投資を実現するにはある程度の資金が必要になりますが、投資信託であれば少ない資金でも分散投資ができます。
このように基本的なリスクコントロールを抑えていくと、株式などの指数に連動したインデックス型の投資信託が、積立投資の対象として人気があるのも頷けるものです。
連動を目指す指数が、海外の株式であったり国内の株式であったりで、値動きの幅やリスクも異なってきます。
- 投資のために残された期間はどれくらいか?
- どれだけのリスクを許容できるのか?
- どのような目的で資産を積み立てていくのか?
そうした振り返りを定期的に行い、自分の現状や目的にかなう資産運用をしていきたいものです。
投資する金額を配分してリスクをコントロールする
上記の長期・積立・分散の重要性を踏まえて、投資する金額を配分することでリスクを調整することもできます。
将来のため、いざというときのための資金の全てを投資に回してしまうのは精神的にも負担が大きいものです。
そこで毎月の積立に回す資金を、「リスクをとる資金」と「リスクを取らない資金」に分けることで精神的な負担を減らしながら、インフレ局面において生活を守るための投資を続けることができます。
例えば、積立貯蓄に回せるお金が3万円だとします。このお金の中から・・・
- 1万円を「リスクを取らない」預貯金に回す
- 残りの2万円を「リスクをとる」インデックス型の投資信託で積立投資にまわす
つまり全体の資金の3分の2でリスクを引き受ける、というわけです。この積立投資を年3%の利率で運用できれば
- 年3%×2/3=2%
となり、年2%ほど物価が上がったとしても、自分の資産の価値を守りながら運用を続けることができます。
また残り3分の1の「リスクを取らない」資金を低リスク商品である個人向け国債(銀行・郵便局などで1万円から購入可能。中途換金も可)などの購入や、定額タイプの年金保険にあてるのも良いかもしれません。
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この場合でも、資金のうちどれだけ「リスクをとる資金」に回すのか・「リスクをとる資金」で何%の運用利率を目是すのかは、自分がどれだけのリスクを引き受けられるのかによって変わってきます。
またどのような金融商品を選ぶにしても、できる限りコストや税金を抑えて長期間で運用していくことが望ましいことには変わりません。
それでは次回のブログでは、iDeCoとNISAはどのような制度なのか、その比較などを見ていきたいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
*1:金融商品の価格がすでに上昇している高値圏で購入し、その後の価格下落で損失を抱えること