板前FP雑記帳

板前として「働くFP」からの、普通の暮らしを守るためのいくつかのヒント。

サンマの豊漁、借金との向き合い方について考える① 人生いろいろ 借金もいろいろ 

近年振るわなかったサンマが今年は豊漁で、自分が働いているお店でもこんなに安定して入荷があるのは久しぶりのことです。

職場に入荷してきたサンマたち。

例年よりも型も大きく脂がのっていると評判ですが、やはり昔の、焼いてるそばから煙がもくもく上がるあの感じとは少し違うような気もします。
中年のノスタルジーカもしれませんが。

そうはいっても、小さく脂もないサンマを高級魚よろしくありがたがっていたこれまでの風景はがらりと変わり、あまりにも取れすぎで休漁規制が13年ぶりに発動されてニュースになるなど、とにかく話題には事欠きません。
www.nikkei.com
お客さんたちも皆さん喜んでくれていて、サンマ目当てにお店に来る人も多いです。
「なくならないうちに」というわけですね。皆さんわかっています。

日本の漁獲量はこの40年間で3分の1にまで落ち込み、ここにきてようやく「漁獲規制」や「資源管理」の重要性が、専門家だけでなく一般の消費者にも認識されるようになってきました。
もちろん、都市部にすむ消費者の目線だけで資源との向き合い方について語るのはよくありません。
「資源管理」をどのようにして進めていくのかは

  • それを生業とする人たちの暮らしをどう守るのか。
  • 規制をしながら、私たちの食卓に並ぶ食料をどのように確保していくのか。

という視点とセットで社会全体で取り組んでいくことが大切なのだと思います。
獲る人にせよ、食べる人にせよ、どのように持続可能な社会を築いていくのかを、それぞれ違う立場の視座を持って考えたいものです。
なにしろ、なくなっては困るものですから。

それでは世の中の問題がすべてそうかというと、もちろんそうではありません。
とりわけファイナンスの分野においては、「なくなっては困る」どころか、「できるだけ早くなくしてしまったほうが良い」ものもあります。

それは、借金です。

人生いろいろ 借金もいろいろ

借金の話はしづらいものです。
ですが、借金は私たちの生活の中では身近なものです。
普通に暮らしている分には、少額であれば意外と簡単に借りることができてしまいます。

例えば40年、50年と生きてきてそれまでに一度もお金を借りることなく生きてこれたとすれば、それはそれで素晴らしいことだとは思います。
ですが現実には、なかなかそうはいきません。

そしていろいろな生き方や暮らしがあるように、借金にもいろいろあります。

  1. ライフプランニングに計画的に組み込まれているもの。
  2. 事故、けがや病気など、不幸なアクシデントによる突発的な出費をカバーするもの。
  3. 目的のはっきりとしないものや、借り入れや返済が計画的でないもの。家計管理がうまくいかずになんとなく発生してしまった赤字の補填など。

怖いのは3番目です。
そして今回のブログの主題も3番目です。

まさに、私たちも暮らしの中で身近なものだけれど、なかなか話しをしづらい。
だからこそ、ずるずると、解決も先延ばしになってしまう。
消費者金融、クレジットカードのキャッシングやリボ払いがこれに該当するのではないでしょうか。

私たちの人生や生活にかかわる借金について見ていきます。

奨学金

日本学生支援機構(JASSO)が提供する奨学金には、返済の必要がない「給付型」と卒業後に返済する「貸与型」があります。
そして「貸与型」には利子のあるものと無利子のものがあります。

無利子のものに関しては、もちろん慌てて返す必要はありません。
利子がある場合でも令和7年度では

  • 利率固定方式:1.612~1.982%
  • 利率見直し方式:0.9~1.2%

と低金利で提供されているため、「意欲のある学生に将来の借金を背負わせること」「卒業後の低賃金により返済が困難になること」など制度そのものに対する是非は別として、借入金としては計画的に返済していけば問題ない部類だと思われます。

住宅ローン

住宅金融支援機構の調査によると、2024年4月に利用された住宅ローンの借入金利は

  • 0.5%以下・・・34.3%
  • 0.5~1.0%以下・・・26.2%
  • 1.0~1.5%以下・・・12.9%

と「0.5%以下」が最も多く、住宅ローンは他の借金と比べて金利が低いということがわかります。

これはなぜかというと、貸し出す金融機関にとって住宅ローンはリスクが低いからです。

住宅ローンを提供する金融機関には「抵当権」があり、対象となる土地や建物などの不動産を担保にしています。
返済が不可能になった場合には、この「抵当権」を行使(抵当権の実行と言います)すれば良いのです。

裁判所の権限で物件を差し押さえ、競売にかけて売却することでローンを回収できます。
取りっぱぐれることがないからこその低金利、というわけなのですね。

教育ローン

教育ローンには日本政策金融公庫による国の教育ローンと、銀行などによる民間の教育ローンがありますが、ここでは国の教育ローンについて。

国の教育ローンは、正式には「教育一般貸付」と言って

  • 上限1人につき350万円(条件により450万円)まで
  • 3.15%の固定金利(令和7年9月時点)

という条件で提供されています。

貸し付けの対象が学生本人ではなく、保護者であること。また、貸し付けにあたって学力基準がないことなどが奨学金と違うところです。
奨学金と比べると、若干金利は高くなります。  

自動車ローン

自動車ローンには銀行のマイカーローンと、自動車販売店が提供するディーラーローンがあります。

  • 銀行系のマイカーローンは年率1~4%程度と比較的低金利で提供されていますが、その分審査は厳しく手続きに時間がかかる場合があります。
  • ディーラーローンは手続きもスムースで審査は通りやすくなりますが、年率3~9%程度と金利は高めになります。

教育ローンや自動車ローンになると金利は若干高くなってきます。
家計を管理して黒字分が出た場合には、返済の優先度が高くなってきます。

ですがあくまでも計画的に。
いざという時のための「生活防衛資金」を確保したうえで、繰り上げて返済していくのが良いと思われます。
なお、自動車ローンなどの繰り上げ返済には手数料がかかる場合がありますので、契約の際によく確認しておきましょう。

キャッシング・リボ払い
  • キャッシング・・・消費者金融やクレジットカードを利用して、現金を気軽に借りることができるサービス。
  • リボ払い・・・クレジットカードの利用金額や件数によらず、毎月の支払金額が一定になる仕組みのこと。

キャッシング・リボ払いはどちらも便利な仕組みですが、金利はこれまで解説してきたローンと比べて段違いに高くなります。
借入金の金利は、利息制限法という法律によって次のように上限が定められいてます。
この種のサービスを利用している場合、借り入れの利息はこの上限のめいっぱい、おそらく15~18%程度になっていのではないでしょうか。
<利息制限法の上限金利>

借入金額上限利息
10万円未満20%
10万円以上~100万円未満18%
100万円以上15%
手軽さゆえに、あっという間に借金が増えていくのがキャッシングやリボ払いの怖いところです。
こうした借り入れがある場合には、最優先で返済を考えていくべきだと思われます。

リボ払いはなぜ怖い

リボ払いでは月々の支払金額が抑えられて、一見すると家計管理も楽になるように思えます。
大きな買い物をしても、すぐにお財布がピンチになることもありません。

それではなぜ「リボ払いは怖い」と言われているのか。
便利さになかに、怖さが潜んでいるのです。

①最終的に支払う総額が多くなる

リボ払いには利用残高に対して、毎月15~18%(年率)の手数料(利息)が発生します。
ここまで解説してきた各種のローンに比べて圧倒的に高い金利であることがわかると思います。

支払回数を重ねるにつれて、支払う手数料(利息)の総額も当然多くなります。

②気が付くと借金が増えている

支払方法をリボ払いに設定している場合、クレジットカードの利用限度額の範囲であれば、毎月の支払金額は一定になります。
新たに買い物をしても、支払金額は変わりません。

実際には借金を重ねているのですが、その実感はありません。
そのために気が付くと借金が膨らみ完済が困難になるというケースが発生します。

③支払いがいつまでもが終わらなくなる

①で述べたように、リボ払いには利率の高い手数料(利息)が発生します。
そして②のケースのように買い物を繰り返しているうちに借金の総額が多くなると、毎月支払う金額のうち手数料(利息)に充てられる割合が多くなり、なかなか借金の元金が減らず延々と支払いを続けていくことになります。

④利用可能枠が限界→多重債務者

①~③の流れで、月々の支払いでも借り入れの元金が減らず、さらに買い物を続けていくといずれクレジットカードの限度額がいっぱいになります。

そうなるとどうでしょうか?
他のクレジットカードを利用するしかなくなります。
多重債務者です。

そしてリボ払いの支払いのために、クレジットカードや消費者金融のキャッシングを利用するようになれば、それは自転車操業です。
そのような状態を続けていけば、いずれ支払いが不可能になる時がやってきます。

まずは家計管理→金利の高いものから優先的に返済を

すでにキャッシングやリボ払いを利用している場合、最優先で返済を進めていく必要があります。

まずは家計管理

返済計画をたてるためには、まずは家計管理です。
月々の収支を黒字にすることができたら、最低支払金額に加えて繰り上げ返済で元金を減らしていきましょう。

金利の高いものから優先的に返済をしていけば、家計全体における借入に対する利息を下げることができます。
すでに複数のクレジットカードでキャッシングやリボ払いを利用している場合は、元金の少ないものから完済して借金の口数を減らしていきましょう。

各社のシミュレーターを利用して返済計画を

クレジットカード会社のサイトで、返済のシミュレーターを利用することができます

  1. 借金の利用残高、 月々の返済額、金利を設定すると、支払期間と手数料を含めた支払総額を確認することができます。
  2. どれだけの期間で完済を目指すのか、そのために必要な返済額はいくらに設定すればよいのか、具体的な返済計画と立てましょう。
  3. ここでまた家計管理です。返済額を捻出するために家計を見直したり、あるいは家計管理から無理なく可能な返済額はいくらなのかを確認することができます。

前回のブログでも家計管理の重要性について触れました。
itamaefp.com

資産形成も借金返済も、まずスタートラインは家計管理です。
手書きでも、アプリでもどちらでも大丈夫。
今から始められる、最も簡単で最も重要な「はじめの一歩」です。

家計簿をつけましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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