板前FP雑記帳

板前として「働くFP」からの、普通の暮らしを守るためのいくつかのヒント。

ahamoならdカード GOLDは不要?FPがダウングレードした理由と切替手順

木のテーブルに置かれたdカードゴールドと、新たに選んだ一般カードに手を添える様子。dカードのダウングレードを表現したイメージ。
©板前FP雑記帳

ahamoなどの格安プランに変更した後も、「なんとなく」dカード GOLDを持ち続けていませんか?
​筆者自身もdカード GOLDを愛用していましたが、最近ついに一般カードへ「ダウングレード」しました。
現在のライフスタイルにおいて、年会費11,000円に見合うメリットがなくなったからです。

道具選びでは、品質は非常に重要です。
しかしそれ以上に、使う目的に見合ったものを選ばなければなりません。

①スマホプランの変更→ゴールドカードのメリットが薄れる

筆者はかれこれ20年以上になるドコモユーザーで、ポイント経済圏も主戦場はドコモです。
以前は「eximo」という大容量プランを契約していました。

まず、dカードゴールドの主な特典についてまとめてみます。

  • ドコモ回線、ドコモ光の場合…利用料金の10%が還元される
  • ahamoの場合…毎月のデータ容量+5GB
  • 1万円相当の選べるクーポン…年間100万円の決済でもらえる
  • ケータイ補償…購入から3年間、最大10万円
  • 空港ラウンジ…国内・ハワイの収容空港のラウンジが無料で利用可能
  • 手厚い旅行保険…海外旅行(最大1億円)、国内旅行(最大5千万円)

筆者の場合、昨年の8月に料金プランをahamoに変更して以降、dカードゴールドの特典である「スマホ利用料金の10%還元」が利用できなくなりました。

続いて、ahamoの特典である「+5GB」のボーナスパケット。
動画はたまに見る程度、自宅ではWi-Fiを利用しているため、月のデータ使用量は月5~6GBほど。
ahamoに基本データ量である30GBでさえ持て余し気味で、恩恵はありません。

筆者はほぼ毎月国内を旅行をしていますが、ほとんどが登山目的です。
dカードゴールドの国内旅行では、補償されるのは「カードで支払った旅行代金」であり、さらにその範囲は「移動や宿泊施設、あるいはパッケージツアー参加中の事故」に限定されています。
登山中の核心的なリスク(ケガ・遭難)に関しては登山保険を契約していますし、宿泊する山小屋やテント場の多くは現金決済です。
こちらも自分にはあまり恩恵がありません。

最大10万円のケータイ補償は魅力的ですが、現在のスマホは使い始めてすでに3年以上。
頻繁に買い替える予定もないですし、故障や紛失に関しては「smartあんしん補償(500円コース)」を付けています。

こうしてみていくと、dカードゴールドの特典はそれぞれ非常に魅力的ではあるものの、現在の自分のライフスタイルに合っていない、という結論に至りました。

②dカードゴールドの年会費、損益分岐点と「100万円修行」

dカードゴールドの特典のひとつに、「年間決済100万円以上で1万円相当のクーポン」がもらえる、というものがあります。
100万円修行、というやつですね。

昨年は丸ビルの「グリル満天星」のコース料理で、このクーポンを利用しました。
箸でも気楽に楽しめる古き良き洋食屋さんという感じで、帰りには夜の東京駅周辺を散策したり。
しかしこれも、年会費分のお金を自分で出せば良いわけで、わざわざ「特典でもらったクーポン」である必要はありません。

dカードゴールドの特典であるクーポンを利用して食べた、昔ながらの洋食店のコース料理の写真。ゴールドカード年会費相当分のお金を出せば楽しむことができるので、わざわざクーポンである必要はない。
グリル満天星 牛フィレステーキ

そのクーポンをもらうためには、年間のカード決済が100万円以上という条件をクリアしなくてはなりません。
筆者のdカードでの固定費の支払いは、1ヵ月あたりで約43,000円です。
年額で支払っているサービスに関しては支払時期がバラバラなので、家計管理では1ヵ月あたりの費用に換算して予算に組み込んでいます。
内訳は以下の通り。

項目 (本来の支払サイクル等) 月額換算
光熱水費 約23,500円
自動車保険 約3,500円
スマホ利用料
(ahamo、補償、Netflix、YouTube)
約6,400円
日経新聞電子版 4,277円
NHK受信料
(2か月ごと3,900円)
1,950円
登山保険
(年間約3,600円)
約300円
登山天気プレミアムプラン
(年額4,980円)
415円
YAMAPプレミアムプラン
(年額5,700円)
475円
はてなブログpro
(2年コース14,400円)
約600円
日本FP協会年会費
(AFP認定者12,000円)
1,000円
Amazonプライム
(年額プラン5,900円)
約490円
家計簿アプリZaim
(年額プラン4,378円)
365円
合計(1ヵ月あたり) 約43,000円
生命保険・医療保険を契約している県民共済は、カード払いは利用できず口座引き落とし。
NetflixとYouTubeはドコモ経由で申し込むとポイント還元が大きくなる「爆上げセレクション」を利用、合わせて毎月500ポイント以上の還元があります。
しかし、こうしてみると登山関連の出費が多いですね。

それはさておき、100万円修行をクリアするために必要な月の決済額は約84,000円です。
つまりは固定費に加えて4万円以上を毎月dカードで支払う必要があります。

できないこともないですが、ゴールドカードの年会費の元を取る(決して得をするわけではない)ためにカード利用を増やす、というのもあまり合理的ではありません。
また先ほど触れたように、趣味である登山では現金決済が多い、というのもネックです。

通信費を抑えるためにahamoに切り替えたのに、ゴールドカードの特典を活かすためにスマホのプランを「ドコモMAX」などに変更するというのも、本末転倒です。

また重要な点として、dカードではゴールドでも一般カードでも街中でのショッピング時のポイント還元率は変わらない(一律1%)のです。

ahamo利用者にとっては、dカードゴールドはかなり「使う人を選ぶ」カードになってしまっているのが現実ではないでしょうか。
ゴールドカードとしての特典の多くは、スマホ回線と光回線などドコモのヘビーユーザーに向けてのもの。

ahamoを契約していて、自分にはメリットがないと感じた場合には、一般カードへとダウングレードすることで、d払いなどの使い勝手の良さやポイント経済圏は維持したまま、年会費を浮かせることができます。

冒頭で触れた「道具選び」と似ていますね。
どんなに良いものでも、そのメリットが自分の目的やスタイルに合っていなければ、あまり役には立ちません。
目的に合わせて小回りが利くものを選ぶことで、作業の効率と自由度が上がることが多いのです。

それでは実際にdカードゴールドをダウングレードした際の手続きについてみていきましょう。

dカード GOLDから一般カードへの「ダウングレード」の手引き

ダウングレードの手続き自体はシンプルですが、その後の「クレジットカード情報の変更手続き」という重要な仕込み作業が待っています。全体像を把握してから取り掛かりましょう。

1. ダウングレードの「手続き」自体はどうやるの?

もっとも簡単でスピーディーなのはWebからの手続きです。

Webで完結: dカード公式サイト(またはdカードアプリ)の「カードのアップグレード/切替」メニューから、一般カードへの切り替えを申し込みます。

審査と到着: 申し込み後、数日〜1週間程度で新しい一般カード(シルバーなどの券面)が自宅に郵送で届きます。

【重要】カード情報が変わります: 基本的には「クレジットカード番号」「有効期限」「セキュリティコード」が新しくなります。
(※稀に番号が同じまま有効期限等だけ変わるケースもありますが、情報の更新が必要な点に変わりはありません)。

2. 「d払い」や「iD」などのスマホ決済、「dポイント」はどうなる?

【d払いアプリ】
新しいdカードの情報へ自動で更新されます。
しかし実際に新しいdカードでの決済に切り替わるまで最大2か月程度かかります。
このため、d払いアプリの「支払い方法変更」画面上では新しいカード情報が表示されていても、実際の決済は切り替え前の旧カードで行われる場合があります。

【Google ウォレット / Apple Pay(iD決済)】
再設定が必要です。
新しいdカードが届いたら、ウォレットアプリでカードを追加し直してください。

【おサイフケータイ】
再設定が必要です。

【dポイント】
引き続き使用できます。
dポイントはカード情報ではなく、dアカウントに紐付いています。
カードの種類変更によって失効することはありません。

3. 最大の難所:「固定費・引き落とし」の再設定と所要時間

カード情報が変わるため、これまでdカードで支払っていたあらゆるサービスの「支払い方法変更手続き」をご自身で行う必要があります。ここをサボると、保険の失効や公共料金の未納につながります。

【優先度:高(絶対に止めてはいけないもの)】

保険料: 自動車保険(ダイレクト型など)、生命保険など。※特に自動車保険の月払いは、変更を忘れると未納扱いで契約解除になるリスクがあります。

公共料金: 電気、ガス、水道局など。(Webからお客さま番号等を入力して手続き可能です)

【優先度:中(生活に関わるもの)】

通信費・インフラ: NHK受信料、プロバイダ料金など。※ドコモ・ahamoの携帯料金は自動で引き継がれるケースが多いですが、念のためMy docomoで確認推奨です。

定期券・交通系: モバイルSuicaの定期券更新用カード情報など。モバイルSuicaは深夜の時間帯はメンテナンス中であることが多いので、手続きを急ぐ方は注意が必要です。

【優先度:低(使う時に気づけばOKなもの)】

ネット通販: Amazon、楽天市場などでの登録カード変更。

サブスク・アプリ: Google Play、Apple ID、各種月額サービス(動画配信など)。

4. その他の見落としがちな注意点

【家族カードも一般カードになる】
ご自身(本会員)がダウングレードすると、紐づいている家族カードも自動的に一般カードになり、同様に新しいカードが届きます。
ご家族にも「カードが変わるから、ネット通販などの登録を変えてね」と伝える必要があります。

【ETCカード】
自動で新しいカードに切り替わり、ダウングレードしたdカードと共に送られてきました。


【古いGOLDカード】
すぐには捨てないこと。
新しいカードが届いても、すぐにハサミを入れないでください。
公共料金などの変更手続きが完了するまでの1〜2ヶ月間は、カード会社側で旧カードに請求を回してくれる(猶予期間)ためです。
新しいカードの明細にすべての支払いが載ったのを確認してから処分するのがFP的・鉄則です。

【損をしない手続きのタイミング】
dカードゴールドの年会費は、前払いです。
ダウングレードの手続きは、次の年会費が引き落とされる前月の15日までに完了させましょう。

【所要時間】
筆者は優先順位を考えず、休日前の深夜にモバイルSuicaの手続きから始めようとして、見事に「メンテナンス中」で弾かれました。
改めて後日、休日の午前中に優先順位の高いものから取り組んだところ、手続きにかかった時間は30〜40分ほど。
光熱水費や保険の支払い方法変更も、現在はほぼネットで完結します。
この30〜40分で、毎年11,000円の年会費が浮くのです。
時給に換算すれば、ずいぶん割の良い作業になります。

まとめ:見栄や「なんとなく」を手放して、家計のあく抜きを

背伸びをすることにも、意味はあります。

八重洲にあった小さな寿司屋で見習いをしていた頃、私は自分の包丁を買おうという話をしていました。
「お前なんかまだ腕もないんだし、その辺で売ってる安物で十分だよ」という板前さんと、「河童橋か築地の場外に行って、きちんと良い包丁を選んできなさい。その包丁に見合う仕事ができるように頑張ればいいよ」という板前さんがいました。

どちらもお世話になった、人生の恩人です。
悩んだ結果、自分は後者の方を選んで、築地の場外で初めて自分の柳葉包丁を買いました。
そうアドバイスをしてくれた板前さんの仕事を見て、「いつかは自分もこんな仕事ができたら」と、ひそかに憧れていたからです。

ですから、背伸びをすることに意味はあります。
そう思いたい。

しかし道具というものは、使う目的に見合ったものを選ばなければなりません。
小さなアジをおろすのに、刃渡り8寸の出刃包丁は、どんなに立派なものであっても、あまり役には立ちません。


今回は、筆者が実際にdカードゴールドから一般カードへダウングレードした理由と、その際の手続きについて解説しました。

カード情報の再登録など、正直少し面倒に感じる「仕込み」の手間はあります。
人間は変化を嫌う生き物ですから、「まあ、今のままでもいいか」と後回しにしたくなる気持ちもよく分かります。
しかし、この数時間の手間を一度乗り越えてしまえば、来年以降はずっと年間11,000円の固定費が確実に浮き続けるのです。

「良い道具(ステータスカード)」を持つこと自体は決して悪いことではありません。
ゴールドカードの特典を見事に使いこなし、生活を豊かにしている方もたくさんいらっしゃいます。
大切なのは、その道具が今の自分の目的やライフスタイルに合っているかを定期的に見直すことです。

「ahamoに変えたけど、なんとなく惰性でゴールドを持ち続けている」
「元を取るために、無理してカード払いを探している」

もし心当たりがあるなら、それは家計の鍋に少し「あく」が浮いてきているサインかもしれません。

今回、家計のあく抜きをして浮いた11,000円。
これを新NISAの投資資金に回して将来に備えるのも良し、たまには奥様と美味しいものを食べに行く外食費にするも良し、新しい登山ギアの足しにするも良しです。
目的を持って選んだ「小回りの利く道具」は、きっとあなたの人生の自由度を上げてくれます。
皆さんもぜひこの機会に、ご自分のお財布の中身を点検し、不要な見栄やコストを削ぎ落とす「固定費のあく抜き」に挑戦してみていただければと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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